世界で初めて、ナノコンポジットエマルションの実用化に成功し、科学技術の発展に貢献した点が評価されました。

科学技術の発展において非常に権威のある「井上春成賞」「工業技術賞」をW受賞しました!

ナノコンポジットWの開発および製品化は、当社と京都工芸繊維大学の木村教授、科学技術振興機構との産学官の連携より生まれました。
大学の研究の事業化に成功し、市場に高い評価をもって受け入れられた点が特に評価され、たいへん名誉ある賞をいただいています。

1.ナノコンポジットエマルション(原料樹脂)の独創性

ナノコンポジットエマルションの研究は1970代頃から盛んに報告されています。しかし、コスト・物性的に問題があり、実用化が不可能でした。この開発により、ナノコンポジットエマルションと言う新規な材料(塗料以外への応用展開も期待できる)の創製が世界で初めて可能となりました。

2.ナノコンポジットWの革新性

(1)地球温暖化防止機能

建築用塗料の地球温暖化防止対策は塗料メーカーの大きな課題です。

(2)耐汚染機能

水性の外壁塗料に対する耐汚染性の要望は切実です。でも大変難しい課題でどこの会社も応えることができませんでした。

従来の塗料の常識をくつがえすナノコンポジットWの革新的な機能が、これらの難問を解決しました!

経済社会性の高さ

(1)我が国固有技術

中国を始めとするアジア諸国の台頭により、様々な産業分野において、安価な製品に対抗できるレベルの高い固有技術の開発が急務となっています。一方で、技術の高度化・専門化により、その技術が応用できる製品の範囲は限定されます。ナノコンポジットエマルションのような適用範囲の広い基礎技術は、あらゆる産業の様々な製品への応用が可能であり、 アジア諸国の製品等に対する差別化が可能となり、我が国経済の発展に大いに貢献できるものです。

(2)その他経済面 

石油系原料の高騰が続いていますが、石油系資源を持たない国に於いて石油系原料に極力頼らない製品の開発は急務です。

日本三大技術賞のひとつ井上春成賞(科学技術振興機構)受賞(推薦者:京都大学増田俊夫教授)

新技術開発事業団の初代理事長であり、工業技術庁初代長官でもある井上春成氏が、わが国の科学技術の発展に貢献した業績を称えようと創設した賞です。大学や研究機関等の独創的な研究成果を企業が事業化した技術の中でも、特に経済や福祉に貢献したものが表彰される、大河内賞、市村賞と並ぶ日本三大技術賞の一つです。ナノコンポジットWは、塗料で初めて受賞しました。

「井上春成賞」についてはこちら

【推薦文(京都大学 増田俊夫教授)】

推薦理由

ナノコンポジットエマルション(以下、NCE)に関しては1970年代より報告されている。無機質の不活性さと有機質のフレキシブル性を併せ持つ独創的な材料として非常に興味深いものであるが、合成法・原料のコスト、フィルム物性等の理由で実用化された例は無い。 京都工芸繊維大学はNCEのシンプルな合成法を考案した。この独創的な最先端技術を用いて、水谷ペイント(株) と共同で塗料用NCEを開発し、さらに水谷ペイント(株)はこのNCEを用いて新しい外壁用塗料への応用展開に成功した。特に従来型塗料を凌ぐ耐汚染性と地球温暖化防止効果は、市場ニーズにうまく受け入れられ、急速に普及している。

(中略)

特に中国をはじめとするアジア諸国の台頭による安価な製品に対抗できる、高度な基盤技術として、我が国経済の発展に貢献できるものと期待する。大学の独創的な研究成果を、企業が効率よく短期間でビジネス化できた産学連携の成功例として推薦できる次第である。

【直近3年の表彰技術ならびに受賞者一覧(敬称略)】

工業技術賞(大阪工研協会)受賞

現代技術の強い進歩改善に功績を残した工業に関する研究発明の中で、工業化に寄与した、もしくは将来寄与しうるものを評価する賞です。
ナノコンポジットWは、建築用塗料として初めて同賞を受賞しました。

「工業技術賞」についてはこちら

【(平成19年度) 第57回 工業技術賞受賞企業一覧 】

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